トランプ米大統領は21日、米ボーイング社が米空軍の次世代戦闘機を製造すると発表した。ステルス性能や各種能力で従来機を大きく上回る「第6世代」の戦闘機で、軍幹部らが「F47」と命名したと述べた。自身が第47代大統領であることにちなんだとみられ、トランプ氏は「美しい数字だ」と語った。
トランプ氏は「速度から機動性、搭載能力に至るまで、これに匹敵するものはなかった」と称賛。過去5年間にわたり試作機の飛行が繰り返されているといい、「他国の能力を圧倒的にしのいでいる」と語った。同盟国からも購入希望があるが、「10%ほど機能を落としたものにしたい。いつか同盟国でなくなるかもしれないから、その方が理にかなうだろう」と述べた。
F47は、第5世代ステルス戦闘機F22ラプターに代わる空対空戦闘機として、2030年代に配備される見通し。国防総省は、防空システムや電子戦システムを高度化させる中国に対抗して、航空優勢を確保し、将来起きる可能性のある紛争への備えに不可欠だとしてきた。
一方、トランプ氏に近い起業家イーロン・マスク氏は、昨年11月にX(旧ツイッター)上で「無人機(ドローン)の時代に有人戦闘機は時代遅れだ」と主張し、特にF35戦闘機を批判の標的にしていた。F47は将来的に半自律型ドローンとともに運用され、無人機群の司令塔的な役割を担うものとみられている。