高村薫さん=2025年3月10日、大阪府内 高村薫さんの新刊長編「墳墓記」(新潮社)の世界に足を踏み入れると、日本語の海にたゆたう思いがする。気づけば、混然とした言葉の響きにすっぽり包まれている。 能楽師の家に育った元法廷速記者の男は自死をはかったが、未遂となる。その夢想のなか、万葉集や源氏物語、平家物語、太平記といった古典世界の声がよみ…