愛知県大府市の郊外にあった保育園が公園に生まれ変わった。園内には桜の木が並んでおり、地元からの「残してほしい」という声に市が応えた。間もなく満開。小さな桜の名所が一つ生まれた。
同市吉田町4丁目の吉田園址(えんし)さくら公園。ここには元々、市立吉田保育園があった。築49年になる園舎の老朽化が進んでいたことから近くの市立米田保育園と統合して別の場所に移転し、2023年に新たな保育園となった。
一方、広さ3千平方メートルの旧吉田保育園にはサザンカやツツジ、梅などが植えられ、ソメイヨシノなどの桜の大木も約20本ある。近くの住民たちによると、1960年代半ばごろ、園に勤めていた人が植えたという。桜は成長し、春の満開の時期になると近所の人たちを楽しませていた。
閉園後、地元から桜とともに「保育園の面影も残してほしい」といった声が寄せられたという。市は跡地を公園に変えることにしたが、約20本の桜の木や、ブランコ、滑り台、砂場には手をつけなかった。正門の「大府市立吉田保育園」の銘板もそのままに。園舎を解体した跡地に広場を設け、高さ3~6メートルのソメイヨシノとジンダイアケボノの計12本を新たに植えた。事業費は約4千万円。
4月初め、今年も桜が花をつけ始めた。訪れた近くの浅田千代子さん(81)は「子どもの声は聞こえなくなりましたが、ここの桜は今年もきれいな姿を見せてくれます」。