京都の町家や歴史的建造物を舞台に、国内外の気鋭の写真家の作品を展示する「KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー) 京都国際写真祭」が4月12日に開幕する。照明家の仲西祐介さんと写真家のルシール・レイボーズさんが創設し、今年で13回目。縁もゆかりも無かった京都で、写真祭を国内屈指の規模に育て上げた2人に、これまでの歩みについて聞いた。
KYOTOGRAPHIE共同創設者 仲西祐介さん、ルシール・レイボーズさん
――2013年の写真祭創設は、東日本大震災がきっかけだそうですね。
仲西 東京を拠点に照明の仕事をしながら世界中を旅してきたのですが、震災と東京電力福島第一原発事故で方向転換しました。日本のメディアが放射能の問題をリアルタイムで報じていないと感じ、日本や世界で起きていることをオープンに話せるプラットフォームを作る必要があると考えました。
――2人が共同創設者になったのは、どのような経緯からですか。
仲西 知り合いだったルシールから日本の怪談や妖怪の話を写真作品にしたいという相談があり、一緒にやろうと制作を開始した時に震災が起きました。よく考えてみると、昔話は人間が自然に対するリスペクトを忘れてしっぺ返しを受ける話がたくさんあります。何か形にしなければと作品を仕上げました。
アルルで質問攻めに
――その制作が、写真祭とどうつながるのですか。
仲西 震災後の11年夏に、パリでの個展を終えて南仏のアルル国際写真祭に行くと、日本の写真家やアーティストについて質問攻めにあいました。日本からの情報発信が必要だと思い、帰国していろいろな人に伝えたのですが、写真祭はもうからないから誰も動いてくれません。
日本を知りたいと思って京都に拠点を移し、震災で仕事も無くなったので、ルシールと2人で京都の町を自転車で巡っていると、すごい建物がたくさんあることに気が付きました。京都には町の力があり、ローマ時代に栄えたアルル以上の写真祭ができるのではないかと考えるようになりました。
レイボーズ 写真祭はアルルからインスピレーションを得て始めました。京都には伝統も革新もあり、いまもたくさんの発見がある町です。世界中の町のなかでも、京都だからこそ成り立っていると思います。毎年、京都をエキサイティングな雰囲気にして、いろいろな人々に出会いをもたらしていきたいですね。
まだまだ生まれたばかり
――京都は難しい町だとも言われます。よく開催にこぎつけましたね。
仲西 スポンサーの探し方も…