学校に行きづらく不登校の経験がある小中学生を支えるための新しい学舎(まなびや)が4日、山形県上山市に開校した。文部科学省が指定する県内初の「学びの多様化学校」で、初年度は10人の児童生徒が、自分にあったペースで「学び直し」に取り組む。
開校したのは上山市立西郷小・中学校で、通称は「上山きらり学園」。開校式で、西田浩校長は「一人ひとりの多様性を尊重するこの学舎で、子どもたちには自分らしく成長していってほしい。そして、人や社会とつながるのも悪くないなと思ってもらえたら」と語った。
きらり学園は、廃校になっていた市立西郷第一小を活用した小中一貫の学びの多様化学校。2023年に東北で初めて開校した宮城県白石市の市立白石南小・中学校(通称、白石きぼう学園)を参考に、上山市教育委員会が開設した。
昨年8月に定員20人で募集し、市内の小学生3人、中学生7人がきらり学園への転学を希望した。児童生徒は3学級に分かれ、今月8日から通い始め、本格的な授業は21日から始まる。教職員は19人いる。
学びの多様化学校は、05年に制度化された。「不登校特例校」から名称変更し、全国に58校ある。県教育委員会や市町村教委、学校法人が設置し、文科省が指定する。年間30日以上学校を欠席したり、保健室に通っていたりする児童生徒を対象に、特別な教育をする学校だ。
きらり学園は、年間の総授業数を減らし、ゆとりある教育課程を組む。子どもたちの関心に基づいた探究学習を増やし、不登校でつまずいた科目の学び直しにも力を入れる。
校舎内はゆとりのある配置になっており、子どもたちが授業中にクールダウンできるよう、ソファやクッションも置いてある。
校内には不登校の子どもをもつ保護者や学校からの相談を受け付ける市教育支援センターも入り、きめ細かい支援体制を敷いている。
文科省の調査によると、全国の小中学校での不登校の児童生徒数は23年度、34万6482人で、11年連続で増加し過去最多となった。県内の不登校の児童生徒は2339人。1千人あたりでは31・7人で、全国(37・2人)を下回ったものの、9年連続の増加で、やはり過去最多だった。上山市は、不登校の児童生徒が全国平均より多いという。
教育振興に力を入れる上山市の山本幸靖市長は「学校は子どもたちにとって第2の居場所。既存の学校には行きづらい子どもたちに選択肢を提供し、健やかな成長につなげていきたい」と話す。