三重県鳥羽、志摩両市で活躍する現役の海女たちが、普段から使っている道具や自身の生い立ち、海洋環境の変化などを率直に語った内容を、鳥羽市立海の博物館が冊子にまとめた。素潜り漁だけではなく、様々な仕事を兼ねながらたくましく生きる海女の「本音」を知ってもらうことで、その魅力を伝えたいという思いがある。
「未来につなぐ海女たちの声~鳥羽志摩の現役海女の聞き語り集」と名付けられた冊子は、同博物館と三重大学海女研究センターが、2021~23年度に実施したトークイベントの内容をまとめたものだ。
イベントに招かれたのは、鳥羽、志摩両市の16地区で活躍する20~70代の現役海女32人。海女だからこそ体験できる楽しさや、独自の習俗について率直に語っている。
例えば、浜辺にある海女小屋で暖を取りながらたわいもない話をすることで、年齢を超えた「きょうだいより強い」とされる連帯感が生まれるという。
また、多くの海女は、「セーマン・ドーマン」と呼ばれる魔よけを、潜水中に髪の毛を包み込むための白い手ぬぐいなどに縫い取っている。星印がセーマンで、碁盤の目のような印がドーマンだ。普段から安全祈願をする神社がどこかも打ち明けている。
海女の人数はピークの12分の1に
また、獲物を入れる「タンポ…