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日経平均株価の下落を示すボード。自動車関連の銘柄が下落していた=2025年4月3日午前9時44分、東京都中央区、角野貴之撮影

 トランプ米政権による「相互関税」を受けて世界の株価が乱高下する中、NISA(少額投資非課税制度)対象の投資信託に資金が入り続けている。個人投資家が急落局面でも売り急がず、「買い」に動いたとみられ、資産形成で必要とされる「長期・積み立て・分散」に沿った投資姿勢を保っている。

  • NISA投資は「ほったらかしがちょうど良い」 大幅下落時の心構え

 先週の日経平均株価は7日に史上3番目の2644円(7.83%)安を記録し、3万1000円台に急落。翌日からは急騰と急落を繰り返した。

 さなかの11日、投資信託協会は会見を開いた。個人投資家の状況について松下浩一会長は「強烈な下落局面でパニック的な動きが見られず、非常に驚いている」と答えた。

人気投信も含み損

 足元で、NISA銘柄は逆風にさらされている。人気の投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー、オルカン)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も例外ではない。新NISAが始まった昨年1月から毎月1万円ずつ投資したとすると、3月末時点の評価額はオルカンが13万5500円、S&P500が13万4700円。現金を積み立てた場合(15万円)より1割ほどの含み損となる。

 一方で、NISA対象を含む公募株式投信(除く上場投信=ETF)への資金流入をみると、3月は1兆5899億円で前年同月より24%も増えた。4月も、相互関税が全面発動した9日こそ約80億円の流出超過だったが、それ以外の日は100億~1千億円の流入超過だったという。

 松下会長は「安い時は継続して買う場合に非常に有利。貯蓄を投資に回すチャンスだ」と話した。

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