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公式戦初登板を果たした東洋大の馬庭優太

 (22日、東都大学野球春季リーグ1回戦 青学大8―6東洋大=延長十三回タイブレーク)

 「旋風」を起こしたエース左腕が、今度は神宮で躍動する。

 昨夏の全国高校野球選手権大会で大社(島根)を8強に導いた東洋大の1年生左腕の馬庭優太が公式戦初登板を果たした。

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 4―4の七回、1死二塁のピンチで3番手としてマウンドへ。リーグ4連覇中の青学大の中軸を迎え、「緊張はなかった。すごい燃えた」。

 高校時代と変わらない、球の出どころが見えづらいフォームで投げ込む。直球で今秋のドラフト候補の小田康一郎(4年、中京)を中飛に、4番の松本龍哉(4年、盛岡大付)を変化球で右飛に打ち取った。130キロ台の直球で空振りを奪う場面が多くあり、松本は「まっすぐがスピードガン以上に伸びて、変化球は低めに決まる。打ちにくかった」と言った。

 当初は短いイニングの予定だったが、「ハートが強い」(井上大監督)と延長タイブレークも任された。十二回途中に2点適時打を浴びて降板するまで、0を並べ続けた。5回2安打2失点(自責点0)の好投だった。

 昨夏の甲子園は古豪の大社を32年ぶりの出場に導き、公立として唯一の8強入り。「名勝負」と呼ばれる早稲田実(西東京)との3回戦は延長戦を11回2失点で完投し、自らサヨナラ安打を放った。

 「ピンチで投げきる能力が少しはついたかな。(甲子園と神宮のマウンドを比べて)投げる感覚は、別に変わらないと思った。どんな場面でもまかされるピッチャーになりたい」

 表情豊かに、アウトを取るたびに叫んだデビュー戦。試合後、監督から「楽しかったか?」と問われ、「はい」とはにかんだ。

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