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ロシアのサンクトペテルブルクで2025年4月11日、会談したロシアのプーチン大統領(右)と米国のウィトコフ中東担当特使。代表撮影=ロイター

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は22日、複数の関係者の話として、ロシアのプーチン大統領が米国のウィトコフ中東担当特使に対し、ウクライナ侵攻を現在の前線で停止することを提案したと報じた。ただ、欧州の当局者はこの提案に懐疑的だという。

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 FTによると、プーチン氏が11日、ロシアのサンクトペテルブルクでウィトコフ氏と会談した際に提案した。ロシアが2022年9月に併合を宣言したウクライナ東部、南部の4州をめぐり、ウクライナが現在、支配している地域については領有権の主張を放棄する可能性を語ったという。

 提案を受けた米国は、ロシアが14年に一方的に併合したウクライナ領クリミア半島についてロシアの領有権を承認し、また、4州のうちロシアの占領している地域について実効支配を認める可能性に触れた「和平案」を示したという。

 ロシアが譲歩する姿勢を示したことが明らかになるのは、22年2月の全面侵攻開始後で初めてとみられる。一方、4州全域からのウクライナ軍の撤退を停戦条件としてきたプーチン氏が、提案通りに戦闘を凍結する保証はない。

 FTは、欧州の当局者が「見せかけの譲歩でトランプ米大統領をおびき寄せ、(ウクライナの北大西洋条約機構加盟断念などの)ロシアの他の要求を既成事実として受け入れさせようとしているのではないか」と懐疑的な見方を示したことも伝えている。

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