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 医療機器メーカー社員が手術中に資格を持たずにX線を患者に照射したことを、病院側が取材に認めた。適切に管理しなければ人体に大きな影響を与える恐れがあるX線。手術室という「密室」で、違法行為はどのように起きたのか。

 無資格の営業担当者によるX線照射を認めたのは関西医科大学総合医療センター(大阪府守口市)と横浜新緑(しんみどり)総合病院(横浜市緑区)。朝日新聞の取材に文書で回答した。

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 関西医大は医師に確認したとして答えた。「日付は定かではない」としながら、営業担当者に「C型アーム(X線装置)の移動に協力してもらったこと」や、担当者が「手動用の放射線照射スイッチを押したこと」がわかったという。

「手が空いているときに協力してもらった」

 営業担当者は、脊椎(せきつい)の固定に使うインプラント器具を製造販売する「ニューベイシブジャパン」の社員。事案は、この担当者が自社製品の使用状況を確認するために手術に立ち会っていた際に発生。「担当者が手の空いている時に協力してもらっていた」とした。

 手術当時、医師や手術助手がX線装置のスイッチをすぐに押すことができない状況だったという。「その状況を察して、メーカー担当者がスイッチを押した」と説明し、「医師から指示していないとの報告を受けている」とした。

 違法事案が起きたことを病院としてどう捉えるのか。「極めて遺憾であり、引き続き調査し、再発防止に努める」とした。

医師「1年近く前、覚えていない」

 横浜新緑は同社の営業担当者…

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