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 東京電力福島第一原発の2号機から、二つ目となる溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)が取り出された。サンプルを増やすことで何がわかるのか、東京大の岡本孝司教授(原子力工学)に聞いた。

  • 福島第一原発の燃料デブリ、2回目の採取完了 前回より中心部から
写真・図版
東京大の岡本孝司教授

 ――福島第一原発1~3号機には推計880トンのデブリがあるとされています。高線量で人が簡単に近づくことができません。廃炉を進めるには、これらを適切に処理していく必要があります。

 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。

 とにかく今は燃料デブリという相手がまだわからない。事故が起きたときに、炉心に格納されていた燃料などがどう溶融し、冷えて原子炉格納容器に落ちてきたのかもわかっていない。

 今後、これらと戦うために、今は燃料デブリの情報を可能な限りいっぱいほしいわけです。

燃料デブリは情報の玉手箱

 ――昨年11月、事故後初めて燃料デブリが取り出されました。今回は、さらに格納容器の中心に1~2メートルほど近い場所からのサンプルも得ることができました。

 今まで手探りだったものが、一部でも目に見えるようになってきたというのは極めて大きな前進です。取り出されたサンプルは、様々な情報を含んだ玉手箱と言えます。

 たとえばサンプルに含まれる…

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