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NTTe―Sports高等学院に入学した新入生=2025年4月20日午後1時56分、千葉市中央区富士見1丁目、伊藤未来撮影
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 NTT東日本の子会社が運営する通信制サポート校「NTTe―Sports高等学院」が今月、千葉市内に開校し、15~17歳の19人が入学した。同校ではeスポーツの技術向上のほか、プログラミングなどのデジタル技術も習得できるといい、デジタル人材の育成を目指す。

 20日にあった入学式では、新入生を代表して渡辺朗勝さん(15)が「幼い頃から、ゲームは想像力をかき立て、世界中の仲間とつながる窓でした。eスポーツを通じて、デジタル人材として社会で活躍していきます」と決意を述べた。原田元晴学院長は「こういう風になりたいという思いを大切にして、実現するために踏み出しましょう。悩んだり失敗したりした時は相談しましょう」と応じた。

 同校は、NTT東日本の子会社で、eスポーツのイベントを企画する「NTTe―Sports」(東京都新宿区)が運営している。NTTグループがeスポーツに特化した教育機関を手がけるのは初めて。若者に人気のeスポーツをきっかけにデジタル分野に興味・関心を持ってもらい、地元で活躍できるデジタル人材を育成することが狙いだという。

 通信制サポート校とは、通信制高校に通う生徒の学習支援などをする教育機関。生徒は、NTTe―Sports高等学院と同時に通信制高校「中央国際高校」に入学し高校卒業資格を得る。

 NTTe―Sports高等学院の1年生のカリキュラムは約半分がeスポーツの関連で、ゲームの技術の解説や動画を使った振り返り学習などをする。国際大会でも使われるモデルのゲーミングパソコンを1人1台使用できる。

 デジタル技術は、eスポーツに使うパソコンの機能や操作方法から学び始め、プログラミング学習やNTT東日本グループでの職業体験なども予定する。今後、NTT東日本グループへの求人対象校となる見込みだ。

 2021年5月にちばぎん総合研究所が県内企業を対象にしたアンケートでは、IT活用に取り組む上での課題として、「ITを導入する人材が不足している」と答えた企業が38.1%に上った。

 NTTe―Sportsの井上裕晶事業開発部長は、「デジタル人材が不足していて、地元企業からも求人の要望や問い合わせが寄せられている。子どもの将来の可能性を広げるため、eスポーツを入り口としてデジタル人材へと育て上げていく」と話している。

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