政府は23日、首相官邸で開いた経済政策に関する会合で、最低賃金を2020年代に全国平均1500円に引き上げる目標に向けた参考の一つとして、欧州連合(EU)指令が掲げる「賃金分布の中央値の6割」という目標設定を示した。具体的な参考モデルを明示し、政府目標の実現に道筋をつけたい考えだ。
この日の「新しい資本主義実現会議」では、人材育成などとならび、最低賃金の引き上げも議論。政府は文書で「高い目標の達成に向け、たゆまぬ努力を継続する」とし、「EU指令においては、賃金の中央値の60%や平均値の50%が最低賃金設定に当たっての参照指標として、加盟国に示されている」と強調。「これらに比べて、我が国の最低賃金が低い水準となっていることも踏まえるべきではないか」として目標達成への参考になり得るとの認識を示した。
類似の指標としては、労働組合の中央組織・連合が23年、35年ごろに中央値の6割まで引き上げる目標をまとめた。連合の試算では23年時点で日本の最低賃金は中央値の5割弱にとどまる。
経済協力開発機構(OECD…