東日本大震災の津波で流出した岩手県陸前高田市の岩手県有形文化財「旧吉田家住宅主屋」の復旧が3年8カ月間の工事を経て終わり、5月23日から一般公開される。津波でばらばらになった部材のうち、1千個以上を集めて組み立て直すという「世界初」(陸前高田市)の作業を、日本建築や建具作りに高い技術力を持つ気仙大工が担った。
旧吉田家住宅主屋は木造2階建てで、屋根はかやと和がわらぶき。延べ床面積は約320平方メートル。江戸時代後期の1802年に建てられた仙台藩の「大肝入」(地方役人の最上位)の役所だった場所で、軽犯罪の裁判をしていた。藩主が宿泊することもあったという。主屋など4棟が2006年9月に岩手県有形文化財に指定されている。
11年3月の津波で市街地は壊滅的な被害を受け、旧吉田家の建物もばらばらになって流された。300メートル先まで流された部材もあった。
部材の多くは長年、いろりの…