東京都中野区の中野サンプラザの建て替え計画は、区が事業者側の計画を受け入れず、「白紙」になった。何が問題だったのか、今後、再開発はどうなるのか。酒井直人区長に聞いた。
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――事業費の高騰が発端でした。想定していなかったのでしょうか。
私たちも、ある程度の高騰は念頭にありました。事業者である野村不動産との打ち合わせでも、それを織り込んで計画を立てました。でも、認可申請にゴーサインを出した後に、工事費が900億円も上がると示されました。今になれば、野村不と工事を担うゼネコンとの意思疎通がどうだったのかと、正直思います。
――事業費の高騰分を賄うため、野村不が新たに「ツインタワー」の計画を示しました。何が問題だと感じたのですか。
2024年12月から翌年1月に、ツインタワー案の中身を見ました。
野村不が採算性を重視して…