経済的に脆弱(ぜいじゃく)な国が多いアフリカ諸国は、「トランプ関税」でどのような影響を受けるのか。打てる策はあるのか。アフリカ経済に詳しい南アフリカ・プレトリア大学のダニエル・ブラッドロウ教授に聞いた。
記事のポイント
「トランプ関税」はアフリカに何をもたらすのか。ブラッドロウ氏は、①輸出産業への打撃、②中国や欧州の経済状況が揺らぐことによる間接的な影響、③米ドルベースの債務の変動などが考えられると指摘しています。
――トランプ米大統領の関税政策はアフリカ諸国にどう影響しますか。
「これまで米国は『アフリカ成長機会法』(AGOA)によって、アフリカ諸国からの輸入品を無関税にするなどの特別待遇を与えてきました。トランプ氏は以前から、今年期限を迎えるAGOAの更新をしないとみられていましたが、トランプ関税によって、AGOAは事実上、崩壊しました」
「一部の国は高い関税に苦しむでしょう。レソトは50%の関税の対象となりました。南アフリカ、マダガスカル、ナイジェリアなども高関税を課せられています」
米国側の影響はわずか?
――どのような産業が打撃を受けますか。
「鉱物資源といったアフリカ…