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引退が決まったいすみ鉄道の「キハ52」=2025年4月26日、千葉県大多喜町、若井琢水撮影

 いすみ鉄道(本社・千葉県大多喜町)は旧国鉄のディーゼル車両「キハ52」が引退すると発表した。同社によると、現役で走る全国最後の1台だったという。5月10、11日に記念イベントを開く。

 キハ52はエンジン2基を積んでおり、登坂能力の高さが特徴。同社が2010年、新潟県と長野県を結ぶJR大糸線で運行していた車両を買い取り、11年4月から観光急行列車として活躍してきた。

 だが、いすみ鉄道は昨年10月の脱線事故後は運休が続いており、キハ52も運行できないままになっていた。今年、自動車の車検に当たる8年に1度の「全般検査」の期限を迎えたが、老朽化が進んでいる上、代替部品が入手困難になっていることから引退を決めたという。

 記念イベントでは、各回先着40人限定で、駅の側線約200メートルを往復する乗車体験を実施する。中学生以上は税込み1千円、小学生以下は大人の付き添いが必要で、大人1人につき2人まで無料で乗車できる。担当者は「最後の思い出として楽しんでもらいたい」と話した。

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