身近な乗り物である「自転車」。その競技に青春をかける奈良県立奈良北高校(奈良県生駒市)の自転車競技部が3月、創部43年にして初めて全国大会で総合優勝を果たした。日頃の練習で培われた忍耐力を武器に、次はインターハイとの2冠を目指す。
今月中旬の放課後。奈良北高の校舎の一角で、自転車競技部の部員たちがローラーの上で自転車を走らせていた。全力で20秒間こぎ、10秒を休みながらこぐというセットを8回繰り返す。ローラーは路上とは違い、体の軸が少しずれただけでまるでスリップしたかのように自転車の軸も揺れ動く。そのずれを防ぐには全身の筋肉を総動員する必要がある。
同部が出場する種目は大きく二つ。一般道路やサーキットコースを走る「ロード」と、すり鉢状の傾斜がついた競技場で周回ごとのポイント総数やタイムを競う「トラック」だ。
最大の魅力はスピード感。ロードであれば、40~100キロの距離を平均時速35~40キロほどで走り、下りでは時速70キロを超えることもある。原尚敬選手(3年)は「人間が自分の脚で出せる最大スピードに到達できるんです」と力説する。
「練習はとてもつらい」
脚が「エンジン」となる自転…