Smiley face

 白黒の写真をダウンロードして、スマホアプリの色付けボタンを押す。アプリのAI(人工知能)が数十秒で写真に色をつける。電柱に路面電車。戦前の那覇の街並みがカラーで鮮明に浮かび上がった。

 大阪市の会社員ホリーニョさん(45、本名非公表)は、太平洋戦争前後の沖縄の写真のカラー化に取り組む。赤瓦の建物や頭に荷物を載せて運ぶ人びとなど、300枚以上に色を付けた。2月出版の写真集は、那覇市の書店で週間の売り上げ1位になった。

 歴史を身近に感じるためとして、白黒写真をAIでカラー化する試みは一般化している。朝日新聞を含め、報道機関も研究者の助言を受け、当時を知る関係者を取材するなどして、カラー化に取り組んできた。さらにAIの進化は、写真から動画を作ることも可能にした。

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 中国・上海出身のショーン・シャオさん(35)は、生成AIの普及で先を行く中国では、すぐビジネスを模倣されるため、2024年8月に日本で事業を始めた。数百万円かけて開発したというアプリに白黒写真を読み込ませると、白黒写真から数分でカラー動画ができあがる。

【動画】生成AIを使って写真から動画を生成するサービス。イベントを訪れた女性(58)が持参した母と自分の写真も、5分ほどで動画にできた。画面越しに笑いかける母に女性は「泣きます」と目をうるませた=2025年4月19日、東京都港区

 最初の一歩は、認知症の祖母を楽しませるためだった。亡き祖父との若かりし頃の写真1枚をカラー動画にして動かすと、祖母が久々に笑顔をみせた。

 人気なのは、歴史系の動画だ…

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