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義経を打ちつける弁慶(中央右)=2025年5月4日午後4時11分、石川県小松市土居原町、樫村伸哉撮影
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 本物の役者に負けない熱演に拍手がわいた。「日本こども歌舞伎まつり」が4日、石川県小松市の團十郎芸術劇場うららで始まった。市内の小中学生14人が、地元にゆかりのある「勧進帳」を披露した。5日まで。

 1999年に始まり、26回目。子どもたちが本物と同様の衣装と化粧で演じ、長唄やおはやしにも地元の児童・生徒が加わる目玉イベントだ。勧進帳の舞台の「安宅の関」跡が市北部の日本海沿いにあり、市は「歌舞伎のまち」としてPRしている。

 勧進帳の主人公は兄の源頼朝に追われた義経、家来の弁慶、安宅の関を守る富樫の3人。弁慶が白紙の巻物を、寺に寄付を募る願いが記された「勧進帳」として朗々と読み上げる。富樫は主君を救おうとする弁慶の思いと機転に心を打たれ、通行を許す。

 演じた14人は小学5年~中学1年で、最上級生の3人が主人公を演じた。富樫役の浅井一心さん(12)は「役になりきることが大変だった」と振り返った。弁慶役の水谷羽珠(うみ)さん(13)は「うまくできないことがたくさんあったけれど、やりきれてうれしい」。座って待つ時間が長い義経役の浜野紗衣(さえ)さん(12)は「足がしびれないように注意した」と話した。昨年末から重ねた練習の成果を発揮し、1時間15分の公演を終え、笑顔を見せた。

 市内と愛知、東京の団体も舞踊などを披露した。5日も同じ内容で公演する。

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