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 太平洋戦争の激戦地・パラオのペリリュー島で戦没者の遺骨収集を加速させるため、福岡資麿厚生労働相は5日、パラオの担当閣僚と会談し、協力を得ることで合意した。島では昨年、千人以上とみられる異例の規模の集団埋葬地が見つかった。厚労省は関連予算を倍増させ、2027年度までに収集することを目指す。

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ペリリュー島の地図

 ペリリュー島は日本から約3千キロ南に位置するパラオの島の一つ。南北約9キロメートルで、カニの爪のような形をしている。第1次世界大戦後の1920年、敗戦国のドイツに代わり日本が委任統治領として治め、重要な軍事拠点とした。1944年9月15日、旧日本軍が守る島に米軍が上陸し、2カ月以上にわたって激戦が続いた。旧日本軍は約1万人が戦死。米側も1600~1700人が死亡したとされ、米海兵隊史上、最も激しい闘いの一つとも言われる。

 53年、政府の最初の遺骨収集団が島に派遣され、これまでに7800柱が収集された。昨年見つかった集団埋葬地は、米軍が旧日本兵を葬った。終戦間もなく、米側から存在が知らされていたが、場所を特定できていなかった。

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上空から見た旧日本兵の集団埋葬地。2024年の調査で遺骨が見つかり、厚生労働省が集団埋葬地だと判断した=パラオ・ペリリュー島、厚労省提供

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