AI(人工知能)や3DのCGといった先端技術は現代アートをどう変えたのか。東京・六本木の森美術館の「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展(6月8日まで)は、私たちにその現在地を教えてくれる。先端技術が日常化するなか、現実との切り結び方も模索されている。
大画面の中で、配達サービスの女性が現実の都市や迷宮的な仮想空間を疾走する。キム・アヨンさん(韓国)の「デリバリー・ダンサーズ・スフィア」(2022年)は現代都市のスピードと倦怠(けんたい)感を描き出し、今展を象徴する作品の一つだ。
技術的には実写に加え、CGやゲームエンジン(ゲーム制作に使われるソフトウェア)を活用している。「ゲームをプレーする人の視点を生かせば、バイクに乗っているような感覚に陥る」とキムさん。
この作品は、コロナ禍で配達…