Smiley face
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システィーナ礼拝堂から上がった黒煙=2025年5月7日、バチカン、藤原学思撮影

 次のローマ教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」。舞台のバチカンには信者らが詰めかけ、選出を待ち望んでいる。世界が注目する現場は、どのような様子なのか。

 「エクストラ・オムネス」

 7日午後5時45分(日本時間8日午前0時45分)、教皇庁儀典長が「部外者は退出」を意味するラテン語を口にした。システィーナ礼拝堂の扉がゆっくりと閉められる。

 南隣のサンピエトロ大聖堂前の広場には、四つの大型モニターが設けられ、信者らが見守った。

 国旗を掲げる人が目立った。フィリピン出身のアルネル・ラクトンさん(57)もそう。同郷のタグレ枢機卿に選ばれてほしいという。実現すれば、アジア出身者としては初となる。

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バチカンのサンピエトロ広場で、フィリピンの国旗を掲げていたアルネル・ラクトンさん=2025年5月7日、バチカン、藤原学思撮影

 タグレ氏とは昨年、言葉を交わす機会があったという。「彼はとても親切で、謙虚で、いつも笑顔です」。そう言って、笑ってスマホの写真を示した。

 午後7時。教皇庁はこの時間の前後に「1回目の投票結果を知らせる」と言っていた。広場には人があふれ、入場規制がかかった。ネットはつながりづらく、すでに長時間待っている人も多い。「電波がない」「充電がなくなる」。そんな声があちこちから聞こえる。

 選出されたか否かを知らせる…

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