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和歌山県議会議場の知事席には故・岸本周平氏の遺影や花が飾られた=県提供

 現職知事だった岸本周平氏の急逝に伴い実施される和歌山県知事選(15日告示、6月1日投開票)の構図がほぼ固まった。いまのところ5月9日付で副知事を辞職した宮崎泉氏(66)と、共産党県副委員長の松坂美知子氏(68)が立候補を表明している。

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 宮崎氏は無所属で立候補する見込みで、自民、立憲民主、国民民主、社民県連合が推薦を決定。公明も推薦する見通しだ。日本維新の会は、宮崎氏を推薦せず、自主投票とするという。松坂氏は共産党公認での立候補となる。

 知事選に向けて、宮崎氏は「岸本氏の政策全般を引き継ぎたい」としている。松坂氏は南紀白浜空港の「特定利用空港」の指定を撤回することなどを訴える見込みだ。

 前回2022年の知事選は自民、立憲民主、国民民主、社民県連合の推薦を受ける岸本氏が、共産公認の候補者と無所属の候補者を破り、初当選した。

知事席には遺影や花

 和歌山県議会は9日、5月臨時会を開き、宮崎副知事の辞職を承認した。新知事が決まるまでの間、県政は知事と副知事が同時に不在となる。

 岸本氏が急逝し、地方自治法に基づき副知事の宮崎氏が職務代理者に就いた。宮崎氏は4月28日に知事選への立候補を表明し、議長に辞職願を提出していた。

 地方自治法は、知事の職務代理者を務める副知事が退職する場合、20日前までに県議会議長に申し出る、と定めている。議会の承認があれば期日前に退職できるとあり、今回はこのケースにあたる。

 県の規則では、知事と副知事が不在となる場合、「部長の職にある職員のうち、給料の上位にある者が順次知事の職務を代理する」と定める。これに従い、県は9日、宮崎氏の後任の職務代理者に県土整備部長の福本仁志氏をあてると発表した。福本氏は2022年から県土整備部長を務めている。

 この日の臨時会では、知事選や県議選日高郡選挙区の補欠選挙に伴う費用7億1775万8千円を盛り込んだ県の一般会計補正予算や、条例改正などの専決処分11件が承認・報告された。

 また、急逝した岸本氏に黙禱(もくとう)が捧げられ、県議が追悼のことばを述べた。知事席には遺影や花が供えられた。

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