宇治抹茶の原料になる「てん茶」の初市が9日、京都府城陽市のJA全農京都・宇治茶流通センターであった。1キロあたりの平均価格は8235円と、前年の約1.7倍に上がり、2016年につけた過去最高値(4862円)を大きく更新した。海外の需要を見込んだ引き合いが強いうえに、春先の冷涼な天候で茶の生育が進まず、出品数が例年より少なかったことが高値につながった。
京都府内の茶農家が22点1678キロを出品し、茶問屋ら40以上の業者が香りや味を確かめながら入札していった。
「ハーゲン・ショック以来」の声も
抹茶は数年来、ラテや菓子に幅広く使われ、国内だけでなく、訪日外国人客(インバウンド)や海外の需要が爆発的に増えている。
この道50年の茶問屋の桑原秀樹さん(75)によると、1996年にアイスクリームのハーゲンダッツ「グリーンティー」が発売され、抹茶の需要が急拡大した「ハーゲンダッツ・ショック」以来の衝撃だという。「宇治でも抹茶の在庫がからっぽ。お客さんに待ってもらっている状態だ」と話す。
今後、茶の発育が進み出荷量…