ペリー来航の地として知られる神奈川県横須賀市浦賀。その海辺に、国内に唯一現存するれんが造りの「ドライドック」がある。
建造は1899年。1世紀以上、船の修理やメンテナンスに使用されてきた。2022年までイベントなどを除いて公開はされず、壁やフェンスに遮られていた。地元出身の記者も存在は知るものの、実物を見たことはない。公開開始を知り、浦賀に向かった。
【撮影ワンポイント】浦賀レンガドック
フラットな光線では粗い壁面の質感や、れんがの色彩を表現するのは難しい。しかし、影になる部分がほとんどないため、ドック全体のたたずまいはうまく表現できた。見学者がいてくれたおかげでドックの大きさも分かる。次に行く時には夕方、晴れの日を選ぼう。(相場郁朗)
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京浜急行電鉄の浦賀駅から徒歩10分。小高い山に囲まれた海辺に、深さ10メートルほどの大きな穴が現れる。船の形で、長さ約180メートル、幅約20メートル。海に面しており、1枚の大きな扉で海と隔てられている。
ドックは船の修理やメンテナンスをする施設だ。横須賀市自然・人文博物館の学芸員、亀井泰治(たいじ)さん(65)によると、れんが積みで造られ、海水が入っていない乾いた状態で残る大規模なドックは日本でここだけという。
周辺の水深は約9メートル…