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不正アクセスへの注意喚起を促す日本証券業協会のホームページ=2025年5月1日、東京都中央区、関田航撮影

 証券口座が不正アクセスで乗っ取られ、株式などが勝手に売買される被害が急増している。金融庁が8日公表した4月末時点の集計で、不正取引は件数が3505件、売買額が約3049億円に達した。4月16日時点の前回集計と比べ、件数は2.4倍、売買額は3.2倍になった。証券会社をかたって「注意喚起」を呼びかけるメールも現れるなど、被害が止まらない状況だ。

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 金融庁によると、被害報告があったのは楽天、SBI、野村、大和、SMBC日興、三菱UFJモルガン・スタンレー、マネックス、松井、三菱UFJeスマートの証券9社。前回集計から3社増え、5月に入ってさらに増えたとみられる。

 犯罪グループは、偽サイトに誘導するフィッシング詐欺などで証券口座のIDやパスワードを盗み、顧客になりすまして口座を操作。顧客の株式を売却し、代わりに中国企業株や取引量の少ない国内の小型株を大量に購入するケースが多い。大量購入で価格をつり上げる「相場操縦」で利益を得ているとみられる。

 不正取引の報告件数は1月3…

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