売れ残った食品などを引き取り、福祉施設や生活困窮者に無償で提供するフードバンク。「先進国」と言われるドイツやフランスでは、この取り組みをどう持続可能な形で進めているのか。国内のフードバンクが直面している課題を解決するヒントを求めて、フードバンク愛知(愛知県北名古屋市)とフードバンクすずか(三重県鈴鹿市)のメンバーが欧州を訪ねると、ヒントが見えてきたという。視察したフードバンクすずか代表理事の寺田覚さんに話を聞いた。
――国内のフードバンクは、どんな課題を抱えているのですか
寄付された食品を一時保管する冷蔵庫や倉庫の維持費や輸送コストの負担が大きいこと、運営するNPOに対する法令やガイダンス順守が厳格で、リスク管理の責任が重いこと、貧困家庭の需要が高いコメや野菜、たんぱく源となる食肉・魚などの食品がフードバンクに集まりにくいこと、などの課題があります。
これらが要因になり、フードバンク活動が十分に機能せず、食品ロス削減や福祉の一翼を担う仕組みとしての持続が困難になっているのが現状です。
先進地・欧州は国あげて取り組む
――2月中旬から3週間視察に行きましたね。ドイツ、フランスのフードバンクは、どのように運営されていましたか
ドイツでフードバンクを運営…