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観音寺に戻った観世音菩薩坐像=2025年5月12日午後2時31分、長崎県対馬市、伊藤進之介撮影
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 2012年に長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれていた県指定有形文化財「観世音菩薩(ぼさつ)坐像(ざぞう)」が12日、対馬に戻った。檀家(だんか)の地元住民らが13年ぶりに本尊と対面し、帰還を祝う法要を開いた。

 仏像は長い裁判を経て、韓国側から10日に関係者に引き渡された。12日午前10時ごろ、仏像を載せたトラックが寺に着くと、待っていた住民らが拍手で出迎えた。県警の検分や、文化庁の状態確認の後、寺に安置された。

 法要には、住民や比田勝尚喜市長ら約40人が参列し、仏像に手を合わせた。村瀬辰馬・檀家総代長(70)は、22年3月に90歳で亡くなった盗難時の総代長、父・敬三さんの写真を持参。「父に、無事に戻ってきたことを報告できた。安置された仏像を見て、本当にほっとした」と語った。

 仏像は盗難を避けるため、地元の対馬博物館に寄託され、16日~6月15日、特別公開される。

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