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財務省の看板=東京都千代田区

 財務省が12日発表した2024年度の国際収支(速報)は、貿易や投資などの経済活動による海外とのお金の出入りを示す経常収支が、30兆3771億円の黒字となり、2年連続で過去最大だった。歴史的な円安もあり、海外投資によるもうけが膨らんだ。一方、貿易やデジタルサービスの赤字は続いている。

 経常収支の黒字額は前年度(26兆1664億円の黒字)から4兆円以上増えた。とくに、海外投資のもうけを示す第1次所得収支は、円安も追い風に、約41兆7千億円で、前年度から約4兆円増え、過去最大となった。

 ただ、モノの輸出入を表す貿易収支は4兆480億円の赤字で、4年連続の赤字だった。サービス収支は2兆5767億円の赤字だった。なかでも海外のデジタルサービスを使うことで生じる「デジタル赤字」が急拡大している。24年度の赤字額は6兆7722億円で、10年前の3倍以上に増えた。社会のデジタル化が進むにつれ、米グーグルや米アップルといった海外のIT企業への支払いが増えているためだ。この赤字額は、訪日外国人客の増加で過去最大となった旅行分野の黒字(6兆6864億円)を打ち消すほどの規模だ。

 かつての日本は、貿易黒字が…

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