TBS系列の中部日本放送（CBC、名古屋市）の2025年3月期決算は売上高が前年比2.1%増の332億円で、3年ぶりに増収に転じた。テレビCMが好調で料金も上がり、純利益は12.2%増の13億円となった。
とくに番組のスポンサーとなる「タイムCM」の売り上げが前年比10.3%増と大きく伸びた。昨秋以降、番組を指定しない「スポットCM」も含め、自動車や食品、金融業界からの引き合いが増えているという。
升家誠司社長は「（自分と似た意見ばかり目にする）エコーチェンバーや（見たい情報だけが表示される）フィルターバブル、フェイクニュースなどインターネットの負の側面が出てきて、放送メディアへの回帰があるのではないか」と述べた。
一方、フジテレビをめぐる一連の問題を受けて、CBCでも番組出演者からのハラスメントの有無を調査し、結果を公表した。同様の事案はなかったが、「コンプライアンス（法令や社会規範の順守）やガバナンス（企業統治）は、気を引き締めてやらなければならない」と話す。
フジテレビに対しては「いち早く信頼を回復して頂いて、テレビメディアに対する信頼が揺らがないようにして頂きたい」と述べた。
