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売却されるシャープの亀山第2工場
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 かつて大型液晶テレビの生産拠点として「世界の亀山モデル」で一世を風靡(ふうび)したシャープの亀山工場(三重県亀山市)。同社はその第2工場を2026年8月までに、親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に売却すると発表した。地域経済にどんな影響があるのか、関係者は推移を見守っている。

 「今のところ、従業員の雇用や県内取引先には影響が出ないようにすると聞いている。その点で大きな問題はないと思う」

 シャープによる発表から2日後の14日、一見勝之知事は定例記者会見でそう述べ、「製造を今まで同様、あるいはさらに多くの製造が行われることを期待している」と話した。

 県企業誘致推進課は、12日にシャープの担当者に連絡。操業の継続や雇用などに影響はないことを確認したという。今後については「状況は刻々と変化していくので、情報収集を継続していきたい」と話した。

 亀山工場は大型液晶テレビを一貫生産する拠点として2004年に稼働。亀山の第1、第2工場が生産を担い、「世界の亀山モデル」は液晶パネル市場を席巻した。

 だがここ10年、中国メーカーの台頭で勢力図が大きく変化。シャープは昨年、テレビ向け大型液晶パネルの生産から撤退した。

 今回の売却は液晶事業の黒字化の一環という。中小型を生産していた第2は売却されるが、第1では引き続きシャープが車載向けの中小型に特化して生産する。

 亀山市商工観光課の担当者は「第1工場、第2工場ともに今も操業を継続しており、現時点においては従業員の雇用や地域の取引企業への影響はないとうかがっている」と話す。その上で「シャープの早期の経営再建と亀山工場における新たな事業展開への躍動を期待する」と注文した。

地元の商議所「いつか売却されると…」

 また、亀山商工会議所の川原…

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