神奈川県茅ケ崎市の有本奈緒美さん(42)は車いす生活になって、色んな壁にぶつかりながら、「海ごみネイル」のアイデアに行き着いた。指先のおしゃれを通して、環境問題や障害者の就労にも関わりたいという。
2014年、福祉施設で働いていた有本さんは足に突っ張りを感じた。歩くと足がもつれるような感覚があり、病院を受診すると、難病の「HTLV―1関連脊髄(せきずい)症」と診断され、車いす生活になった。
自由に身動きがとれず、家に引きこもりがちになった。「社会とのつながりは自然となくなって、家族としか話せていませんでした」
ある日、当時小3だった長男に授業参観のお知らせを手渡された。でも、一人では行くことができない。食卓で「お母さん恥ずかしいでしょ」と漏らし、涙があふれてきた。
長男から返ってきたのは、「ママはどんな状態でもママでしょ」。
スイッチが入った気がした。「かっこいい車いすのお母さんになろう」
職場の理解を得られず
車の運転など日常生活にも慣…