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昨年12月に鹿児島市で開催された全日本U12選手権。各地の予選を勝ち上がった小学生たちが日本一をめざして争った=日本サッカー協会提供

 サッカーをする小学生が試合でプレーする機会は、十分に確保されているのか。そんな課題が浮かび上がり、日本サッカー協会が改善に向けて本腰を入れ始めた。

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 昨年末に鹿児島市で行われた全日本U12(12歳以下)選手権で、2割の子どもたちが試合に出場しないまま大会を終えた――。1月中旬、熊本市で行われた「フットボールカンファレンス」で、こんなデータが示された。2年に1度、全国の指導者が集まる日本協会主催の研修会での一コマだった。

 全国から48チームが集まり、1次リーグで3試合を行い、16強による決勝トーナメントで日本一を争う大会。選手登録した小学生749人のうち、18.53%にあたる139人が未出場だったという。登壇した日本協会の木村康彦・指導者養成ダイレクターは言った。「危機感がある。子どもたちにはプレーする権利がある」

 前身の全日本少年大会が始まったのが1977年。当時はJリーグのようなプロリーグがなく、小学生年代の競技普及で大きな役割を担った。当初は大人と同じ11人制だった。

 一人ひとりがボールに触る機会を増やそうと8人制を導入した2011年、全員が出場したチームは24あった。翌12年は31に。一方で、11年時点で54人だった未出場選手も時を経るごとに増加。22年は18.01%、23年は21.66%と、その割合はここ数年、2割程度で推移する。

 サッカー界では近年、低年齢…

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