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記者会見で話す柏崎刈羽原発の稲垣武之所長=2025年5月22日午前10時2分、新潟県刈羽村の東京電力柏崎刈羽原発ビジターズハウス、戸松康雄撮影

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で4月に起きた火災の原因について、稲垣武之所長は、2007年に最大震度6強を記録した中越沖地震による影響があったとの見方を明らかにした。地震による地盤沈下でケーブルが損傷したことが火災につながったという。22日の定例記者会見で説明した。

 東電によると、火災は4月1日午前、所内の電気を分配する施設で発生。施設内にある制御用補助変圧器が焼け、けが人はいなかった。約500メートル離れた3号機タービン建屋付近でケーブル損傷が見つかったため、ここから漏電が地中を伝わる「地絡(ちらく)」が発生し、過大な電気が補助変圧器に流れ込んで過熱したとみて、東電がケーブル損傷の原因を調べていた。

 この日の稲垣所長らの説明では、損傷したケーブルが接続していた機器が中越沖地震で約20センチ沈下。その分、ケーブルが引っ張られ、収納する容器の角に押し当てられる形となり、長期間のうちに損傷が進んだとみられるという。

他に2カ所でケーブルに余裕ない状態

 東電はこれを受け、所内のケーブル収納容器約550カ所を調査。1号機の周辺2カ所で、ケーブルの長さに余裕がない状態が見られたことを確認した。今後、対策を講じるという。

 中越沖地震では3号機の変圧器で、地盤の沈下でケーブルとの間にずれが生じ、ショートしたことを原因とする火災も起きていた。

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