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 人が感じることのない微弱な地震が、山口県北部で相次ぎ発生している。その数、3カ月あまりで1400回以上――。SNSを中心に一部で不安の声が広がっていることを受け、政府の地震調査委員会は特例的に見解を発表した。

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体に感じない地震が続く山口県北部

 「普通なら評価文には書かない。ただ、SNSなどで話題になっており、我々が知っていることをお伝えすることにした」。今月13日にあった地震調査委員会後の会見で、平田直委員長=東京大名誉教授=は記者の問いにそう述べた。

 地震調査委員会は毎月開催する定例会で、前の月に発生した主な地震活動を検討し、評価文としてまとめている。規模の目安として、震度4以上を観測した地震などが主には対象となる。今月の評価文で山口県北部を含む近畿・中国・四国地方は「目立った活動はなかった」としつつ、補足説明に微小地震活動について言及した。

 それによると、山口県北部で地震活動が始まったのは今年2月ごろ。5月11日までに観測したマグニチュード(M)0.5以上の地震は1441回にのぼる。ただ、地震の規模はこれまでの最大でM1.8で、震度1以上の揺れは観測されていない。平田委員長も「現状は人の活動にはまったく影響がないもの」とする。

能登半島地震の前にも見られた群発地震

 それでも、調査委がこの地震活動に言及する理由に、昨年元日に発生した能登半島地震がある。石川県で最大震度7を観測し、建物の倒壊など大きな被害をもたらした。

 能登地方では、2020年1…

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