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日本民間放送連盟の新会長に就任した早河洋・テレビ朝日会長=2025年5月22日、東京都千代田区、女屋泰之撮影

 日本民間放送連盟の新会長に22日、テレビ朝日の早河洋会長(81)が就任した。民放連はフジテレビの一連の問題を受けてコンプライアンスの徹底などを掲げる「緊急人権アクション」の推進も決議した。業界全体に向けられた不信の目を払拭(ふっしょく)するべく、新会長のもとで改革を急ぐという。

 早河氏はテレビ朝日の看板番組「ニュースステーション」の立ち上げにプロデューサーとして携わるなど、番組制作の現場に長く関わってきた。放送界への豊富な知見に期待する声があり、会長に推薦された。出身母体であるフジの問題を受けて民放連会長職を辞任した遠藤龍之介氏(68)の後を継ぎ、遠藤氏の本来の任期2026年6月まで務める。

 早河氏はこの日の会見で、フジの問題について「民放の歴史の中で、放送倫理上重い事案はあったが、今回は経営全体を直撃する例のない重大事案。歴史上ない不祥事」という認識を示した。「民放への信頼、信用が大きく揺らいでいる。早く正常化したい。それが私に課せられた仕事だと思っている」と述べた。

 民放連はこの日、人権尊重の徹底などを推進するプランを決議した。早河氏は「民放連加盟の全社が、緊急対応をしていくという覚悟を表明したもの」と説明。早河氏をトップとするコンプライアンスの特別委員会設置や、ジェンダー平等推進のための会議体の設置、加盟社で人権侵害事案が起きたときの人権救済メカニズムの構築などが柱となる。今年6月には「人権対応ガイドブック」を作成し、7月末までに加盟社向けに説明会を開く。

苦境のフジ社員にエールも

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