新潟水俣病について子どもたちに出前授業を続け、教訓を伝えてきた地元のお笑い芸人がいる。「新潟お笑い集団NAMARA(なまら)」に所属する高橋なんぐさん(44)。公式確認から60年となる31日、新潟県などでつくる実行委員会が主催する式典で講演し、活動にこめた思いを語る。
1月、新潟県阿賀野市立小学校。熊本県水俣市の小学校とオンラインでつなぐ授業があった。冒頭、児童たちが画面越しに自己紹介をしていると、進行役の男性が突然割り込んだ。
「昨日、話聞いてないって妻に叱られた高橋なんぐでーす」。笑いとともに、緊張気味だった空気がやわらいだ。
児童は、それぞれの地元で発生した水俣病の歴史や裁判、差別などを学んだ成果を発表。その後、「差別や偏見でいまもつらい思いをしている人がいることを知りました」なとど感想を述べた。
高橋さんは「一生懸命勉強したことを誰かに話すことで、より自分のものになっていると思う。みんなが新たな語り部となって、学んだことをたくさんの人に伝えて」と語りかけた。
6年前から本格的に勉強 きっかけは「1日館長」
新潟水俣病との関わりは6年…