福島県飯舘村唯一の学校、小中一貫校の村立いいたて希望の里学園で21日、山形交響楽団の演奏会が開かれた。約70人の子どもたちは、ヘンデルやブラームスの名曲に聴き入った。
東京電力福島第一原発事故による避難地域12市町村を対象にした「魅力的な学校作り」の取り組みの一環で、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構の仲介で実現した。
同校での演奏会は2023年以来。この日は「タイムトラベル」と題して、ヘンデル「水上の音楽」、ブラームス「ハンガリー舞曲」など各世紀の代表的な楽曲を披露。児童生徒3人が指揮棒を振る場面もあった。最後はヨハン・シュトラウス1世「ラデツキー行進曲」を手拍子で楽しんだ。
指揮をした9年生の渡辺凜空(りく)さんは、再びオーケストラが来るのを楽しみにしていた。普段、動画を視聴しているという。「実際の演奏は響きが違う。指揮ではじっと見られて緊張したけれど、終わったあとはすっきりしました」と語った。