「ぴかぴかのオーダーメイド」が当たり前だったJRや大手私鉄の鉄道車両に異変が起き、会社が違ってもどこか似たような感じの車両が走る路線が増えている。背景には、人口減で乗客アップを見込めない中、共通する鉄道各社の狙いがある。
東京都新宿区の西武新宿駅に24日、小田急電鉄で活躍した「8000形」車両を、西武鉄道がリニューアルした「8000系」車両が登場した。31日に西武国分寺線でデビューするのを前に、両社が企画した「引き継ぎ式」イベント。小田急の運転士と車掌から西武側に車両の鍵のレプリカが手渡されると、8000系は初めての一般客約100人を乗せて出発した。
西武は2024年度から、小田急から8000形、東急電鉄からは9000系を計100両譲り受け、自社の国分寺線や多摩川線などの路線を走らせる計画だ。イベントに登場した車両は、小田急から譲り受けた後、約1年をかけて安全装置を改修し、車体の塗り直しや内装交換などを施してきた。大手私鉄が引退車両を地方のローカル私鉄に譲渡する例は少なくないが、大手私鉄同士で中古車を譲渡するのは極めて珍しいという。
8000形、9000系ともにデビューから40年前後が経つが、どちらも省エネ性能が高い「VVVFインバーター制御車」。小田急、東急のほか、京王電鉄、東京メトロなど「全車VVVF化」を済ませた私鉄も目立つなか、西武はまだ8割ほど。本線の池袋線と新宿線には新車、支線には中古車を投入し、30年度までに全車VVVF化を達成する計画だ。
同社は「新車と中古車を組み合わせることで、省エネ化をスピードアップできる」と話す。
記事の後半には、持続可能な鉄道を意識した各社の車両一覧を掲載しています。
新車の設計にも変化が
新車もかつて主流の「オーダ…