(27日、サッカーJ1ジュビロ磐田2―0FC町田ゼルビア)
後半25分、ゴール右に左足で蹴り込んだ。GKの逆をつく、完璧なPK。勝利をたぐり寄せた追加点は、自身初となるシーズン10得点でもあった。
磐田のジャーメインには、「覚醒」という言葉が似合う。第2節の川崎戦で「小学校時代もなかった」という1試合4得点。その後もゴールを重ね、得点ランキングの首位を快走する。
- 日本代表監督の隣にいた、あの人は今 脇役から主役への転機は突然に
昨季はJ2でチームトップに並ぶ9得点。とはいえ、ここまでの成長曲線を誰が予期したか。
横内監督はいう。「プレーの精度が、試合ごとに増している」。体の強さに加え、足りていなかった細かな技術や重圧のかかった場面での正確性が向上してきたという。
本人の感覚はこうだ。「監督が信じて90分起用してくれている。ゲームの中でしか生まれてこない余裕もある」。最前線だけでなく、中央やサイドのMFを経験したことで視野が広がったという。
この日の先取点につながるシーンが象徴的だ。ゴールを背にして味方からパスを引き出すと、球に触らずに反転。転がる球と一緒に相手2人の間をすり抜け、決定機を導く縦パスを出した。そのこぼれ球からゴールが生まれた。
29歳の活躍で、磐田は4勝目を挙げて9位に浮上した。遅咲きの点取り屋は、仲間とともに快進撃を続けるつもりだ。
「特に(目標の)数字は決めず、毎試合チームの勝ち点につながる得点を狙っていく」(松本龍三郎)