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松尾直博・東京学芸大教授=2025年4月21日午後0時10分、東京都小金井市

 4月1日付の朝日新聞のデジタル版と教育面で掲載した「『学び』の悩み相談室 親が過干渉、自分を責めてしまう」の記事に、たくさんのご感想をいただきました。その一部をご紹介するとともに、過干渉とは何か、親が気をつけるべきことなどについて、小中学校で30年近くスクールカウンセラーを務める松尾直博・東京学芸大教授に聞きました。

  • スマホもノートも全て親に見られ…悩む子に伝えたい「自分の守り方」

読者の声「母と泣きながら話した」

 記事を読み、70代の母とお互い泣きながら話しました。
 私も母に言われるままに中学受験し、合格しましたが燃え尽き症候群のような状態となり、学校生活を楽しむ余裕はありませんでした。私の意思確認など、母の念頭にはなかったようです。
 大学入学後は母から自由になり、相談することもなく自分で進路を決めていきました。親子は一番身近な人間関係ですが、子どもにとっては逃れられず、他と比較もできないのが難しいです(40代女性・障害児介助員・千葉県)

 過干渉は過保護に近いところがあります。今の社会は子どもにとって危険が多い、という親の思いが、守りすぎ、関わりすぎることにつながっています。そういう意味では、過干渉は親だけのせいではありません。

 親の心配ポイントとして多いと感じるのは、勉強、スマートフォン、お金の使い方の三つです。

大切なのは思いを受け止め、伝えること

 価値観が多様化し、学歴社会…

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