今年、創設から90周年を迎えるプロ野球の阪神タイガースが近年、独立リーグとの交流を推し進めている。5月には2軍と独立リーグ4球団の連合チームが、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で対戦。地方遠征にも積極的だ。何が伝統球団を突き動かすのか。
5月27日、平日の午後1時からの試合にもかかわらず甲子園には1500人以上の観衆が集まった。阪神ファンに交じり、独立リーグのユニホームや、選手名入りのグッズを手にしたファンもいた。日本海リーグの石川と富山、四国アイランドリーグplusの徳島と高知の4球団が参加した連合チームに、声援が飛んだ。
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これまで阪神が2軍の施設で独立リーグのチームと対戦したことはあったが、甲子園を使うのは異例。1軍が岡山遠征中だったこともあり、「聖地」での試合が実現した。
野球人口の減少が指摘される中、日本野球機構(NPB)は野球振興に力を入れている。その中でも、特に阪神は精力的だ。今年1月には、それまで事業本部の一部署だった野球振興担当を「野球振興室」として独立させた。
担う業務は野球とチアダンスのアカデミー事業、女子野球、そして独立リーグとの連携を含む普及・振興活動だ。球団編成のトップである嶌村聡・球団本部長が、室長を兼務している。普及・振興業務に球団を挙げて取り組みやすくするためだ。
「見に来てくれる人自体がい…