■米に挑む日本人起業家 3
サンフランシスコの日本人街近くの住宅街。裏庭付きの建物の地下で、10人ほどの若い起業家たちが車座になって投資家の話を聞いていた。
ここは通称「テックハウス」。日本人起業家8人ほどが共同で暮らす。寝室には2段ベッドが並び、広いリビングは共同の作業スペースとなっている。
人工知能(AI)を使った3Dゲーム開発ツールを手がける「アセットハブ」創業者の後藤卓哉(30)は、2年前にテックハウスに来た。
日本で別のスタートアップ「ガウディ」を創業し、35億円を調達。「どうせやるなら世界で一番新しいものを作って広めたい」と思い、米国市場に飛び込んだ。たどりついたのがテックハウスだった。「現地での人脈づくりなど様々な助言を受けている」と話す。
テックハウスで長年、中心的役割を果たしてきたのが、自らも連続起業家の小林清剛(43)だ。
小林は昨年、シリコンバレーを中心に、ロサンゼルスやニューヨークなど米国に住む80人近い日本人起業家が参加するグループを作った。スラック上でビザの取り方や生活の立ち上げ方、投資家の探し方などの情報を日々共有するほか、定期的にリアルのイベントも開く。女性も2割ほどいるという。
■「日本人でつるむとかっこ悪…