寺院の荘厳な雰囲気の中で、自由奔放で愛らしい猫たちの一瞬の表情を味わえる写真展が、北海道函館市の禅寺・高龍(こうりゅう)寺で開かれている。出展するのは、猫を撮り続ける写真家8人と1人の僧侶。きっかけはコロナ禍のまっただ中に、寺が猫の写真を旧ツイッターの公式アカウントで発信し始めたことだった。
1633年創建の高龍寺は夜景で有名な函館山のふもとにある。本堂やれんが造りの防火塀などは国の登録有形文化財になっている。写真展「ねことひとと・ときどき・ほとけ。」の会場は庫裏(くり)の2階にある大広間。靴を脱ぎ、仏画やふすま絵も飾られた静寂な空間に入ると、畳の上で約80枚の猫の写真に没入できる。
「ねことひとと・ときどき・ほとけ。」は入場無料。午前9時~午後4時、6月22日まで。
記事後半では出展された猫の写真をご覧いただけます。
世界の街角を巡る町田奈穂さんの「マルタ」は、教会の前にたたずむ凜(りん)とした猫を写した作品。雑誌AERAで「今週の猫しゃあしゃあ」を連載する沖昌之さんの「危機一髪」は、猫が塀のてっぺんに辛うじて両方の前脚をかけてぶら下がる姿をとらえる。小樽の猫たちを撮る土肥美帆さんの「無念無想」は、瞑想(めいそう)しているかのような猫の顔のどアップだ。
「何げないしぐさの中に宿る…