第三者の精子や卵子を用いた不妊治療のルールを定める議員立法の「特定生殖補助医療法案」について、自民党の石井準一・参院国会対策委員長は9日、与党の法案担当者に「今国会中は無理だ」と伝えたことを記者団に明らかにした。夏に参院選を控えるため継続審議とせず、廃案になる見通しも示した。
法案には、第三者の精子や卵子を用いる特定生殖補助医療の提供対象のほか、精子や卵子の提供者の情報を保存し、情報の一部を将来的に生まれた子どもに開示することなどが盛り込まれている。自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党が2月に参院へ共同提出した。
法案をまとめた議員連盟には、立憲民主党も参加していた。だが、同性や事実婚のカップルを対象外にしていることなどから党内で反発が強まり、立憲と共産が審議入りに反対。法案を所管する参院内閣委員会では、他の法案の審議が続いていることもあり、審議に入れないでいた。
議連メンバーの一人は「修正しても立憲が反対する」と述べ、法案をすぐに再提出する見通しは立っていないとの見方を示した。