下関市立大学は11日、大学発ベンチャー企業「株式会社先端地域科学研究所」を設立すると発表した。韓昌完(ハンチャンワン)学長が社長を務め、IT人材企業「SEアシスト」(下関市)の村上晋悟社長が資本金2千万円のうち、1340万円を出資する。
市立大が持つ先端技術や学術研究を大学発の起業につなげる試みで、先端地域科学研究所が資本金の提供や経営管理などの支援を行うとしている。11日の資本提供締結式には、韓学長と村上社長が出席し、覚書に署名した。
計画では、市立大データサイエンス学部のゼミを中心に、大学発ベンチャー企業2社を今年度中に立ち上げる。その後も企業の数を増やす予定。
起業を通じて、研究成果の事業化や大学への収益還流、市内企業の人材確保につなげるという。
韓学長は「大学が自力で資金を確保し、人口減少や高齢化、認知症予防など地域課題の解決につながる研究力向上に期待している」と11日の記者会見で設立の趣旨を説明した。
村上社長は「若手人材が地元で活躍する場を提供していきたい。目先の利益ではなく、将来の人材確保でリターンを得ていく」などと述べた。