「資産形成術を教えます」「NISA(少額投資非課税制度)をプロが徹底解説!」。こんなうたい文句に誘われて無料のマネーセミナーに行くと、あとから特定の生命保険会社の商品を勧められた――。こうしたトラブルが相次いでいる。セミナーの講師を保険代理店の社員が務め、生保が代理店に「販売ノルマ」を課すような例もある。適切な保険選びがゆがめられる恐れがあり、規制が検討されている。
20代女性は、自宅のポストに投函(とうかん)されたチラシを見て無料のマネーセミナーに参加した。講師はファイナンシャルプランナー(FP)で、テーマは「貯蓄術」だった。
セミナーの後、個別の無料相談の案内があり、参加を希望した。後日、行ってみると、講師だったFPは一転、特定の生命保険ばかり勧誘してきた。女性は「やり方が不当だ」と訴え、勧誘を断った。
40代女性は、興味があった新NISAの仕組みを解説してくれるマネーセミナーに参加した。その後の個別相談で、ある生保の外貨建て終身保険を勧められるがままに契約した。「安易に契約してしまった」と後悔し、解約を望んでいるという。
いずれも国民生活センターが5月に受けた相談だ。センターには近年、同様のトラブルがいくつも報告されている。
高級ホテルでケーキ、そのカラクリは
新NISAの導入などで「貯…