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【動画】イランがイスラエルに対して報復攻撃を開始した=ロイター

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イスラエルの商都テルアビブで2025年6月13日、ミサイル攻撃の後に上がった煙=AP

 イスラエル軍は14日、イランの核関連施設などへの攻撃を継続し、これまでにイラン各地で精鋭部隊「革命防衛隊」など軍幹部20人以上のほか、核兵器開発の中枢にいた科学者9人を殺害したと発表した。イラン側も報復として、イスラエルに対して数百発の弾道ミサイルを発射した。攻撃の応酬が続き、事実上の交戦状態となっている。

 イスラエル軍は13日、核関連施設や軍事施設など100以上の標的を攻撃。イラン革命防衛隊トップの総司令官や科学者らも殺害し、「大量破壊兵器を取得する能力に重大な打撃を与えた。大規模な作戦の最初の攻撃の一環」とした。

 イランメディアによると、イラン原子力庁は13日に中部のナタンズ、フォルドゥ、イスファハンで核関連施設が攻撃を受けたと説明。ナタンズとフォルドゥにはウラン濃縮施設、イスファハンには研究施設があり、ナタンズで少量の化学物質と放射性物質の漏出があったが、外部には漏れていないとした。

 イランの国連大使によると、13日の攻撃で軍高官を含む78人が死亡、320人以上が負傷した。イランの最高指導者ハメネイ師は国営テレビで発表した声明で「邪悪な敵に大打撃を与える」と述べ、イスラエルを「破滅させる」と表明した。

 イスラエル国内では13日夜から翌14日にかけて、避難を呼びかける警報が何度も鳴った。軍によると、イランから約200発の弾道ミサイルが発射され、大半は迎撃されたが、一部が商都テルアビブ近郊の住宅地などに着弾。計3人が死亡し、約70人が負傷したという。米政府当局者は、米国がミサイルの迎撃を支援したことを明らかにした。

 イラン国営テレビは13日、革命防衛隊幹部の話として、イスラエルの戦略的に重要な軍事施設を含む少なくとも150の標的を攻撃したと報じた。高官は取材に「これらの基地には指揮統制拠点や電子戦拠点が置かれており、イランに対する攻撃が開始された場所だった」と話した。

 イスラエルからイランへの攻撃は14日も続いており、一連の攻撃を受けて、イスラエルのカッツ国防相は14日、イランが攻撃を続ければ「テヘランは燃え尽きるだろう」とSNSに投稿。イランへの攻撃を続ける構えを示した。

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