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「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」で講演するリトアニアのシャカリエネ国防相=2025年6月1日、シンガポール、松山紫乃撮影

 欧州のバルト3国の一つ、リトアニアのシャカリエネ国防相が10日、朝日新聞の単独インタビューにオンラインで応じ、日本やインド太平洋地域との防衛協力の拡大を訴えた。ロシアによるウクライナ侵攻が長期化するなか、北大西洋条約機構(NATO)の東方防衛の「最前線」でもあるリトアニアがアジアとの連携強化をめざすのはなぜなのか。狙いや背景を聞いた。

 ――5月末に来日した際、中谷元防衛相と会談し、サイバー分野で協力を深めることを確認しました。なぜ日本やインド太平洋との防衛協力が重要なのでしょうか。

 日本とリトアニアは数千キロ離れていますが、ロシアと中国という同じ敵対国家の「隣人」という共通点があります。だからこそ私たちはインド太平洋地域、特に日本との防衛協力を真剣に拡大しようとしています。2023年には防衛協力の覚書を締結し、現在は安全保障に関わる機密情報を共有する情報保護協定の締結を目指しています。

 また、すでに進められている防衛交流や、サイバー、ハイブリッド戦への対応も強化していきたいと考えています。敵対国がもたらす脅威への深い理解が、互いの協力意欲につながっていると感じています。

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リトアニアのナウセーダ大統領(左)との会談前、握手を交わす石破茂首相=2025年6月9日午後6時42分、首相官邸、岩下毅撮影

 ――日本は今年、能動的サイバー防御(ACD)法を成立させたばかりですが、リトアニアは世界でも有数のサイバー先進国です。この分野でどのような協力ができると考えていますか。

 私たちはNATOの北東での…

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